今月の主題 白血病・最近の進歩
話題
治療関連白血病薬剤
幸田 久平
1
,
新津 洋司郎
2
Kyuhei KOUDA
1
,
Yoshiro NIITSU
2
1旭川赤十字病院・検査部内科
2札幌医科大学医学部内科学第4講座
キーワード:
G-CSF併用Ara-C少量療法
,
分化誘導療法
,
etoposide少量長期経口投与
Keyword:
G-CSF併用Ara-C少量療法
,
分化誘導療法
,
etoposide少量長期経口投与
pp.307-311
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903271
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1.はじめに
成人の急性骨髄性白血病(AML)はAra-CもしくはBHACとダウノマイシン,6MP,プレドニゾロン(PSL)を併用した化学療法により約80%が完全寛解(CR)に達する.最近ではこれにミトキサントロン,イダルビシン,エトポシド(VP 16)などの薬剤が積極的に導入され,強力な地固め療法と維持療法により20~30%が長期生存するようになってきた.一方,成人の急性リンパ性白血病(ALL)はサイクロホスファミド,アドリアマイシン,ビンカアルカロイド,PSLなどを中心とした多剤併用療法が行われているが,成績は小児に比べるときわめて不良と言わざるをえない.このように化学療法で治癒困難な症例には,骨髄移植や末梢血幹細胞移植を利用した超大量化学療法がなされ,多くの白血病は治癒可能となりつつある.
本稿では白血病治療薬の最近の話題として,all-trans retinoic acid (ATRA)による急性前骨髄球性白血病(APL)に対する分化誘導療法,難治性AMLや骨髄異形成症候群(MDS)に対する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)併用Ara-C少量療法,難治性造血器腫瘍患者のquality of life(QOL)の向上を目ざしたVP-16少量経口投与,慢性骨髄性白血病(CML)のインターフェロン(IFN)療法について概説する.
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