特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
3.自己免疫疾患と検査
18)乾 癬
森田 栄伸
1
,
山本 昇壮
1
Eishin MORITA
1
,
Shoso YAMAMOTO
1
1広島大学医学部皮膚科
pp.315-316
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900892
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乾癬(psoriasis)は,中年以後に発症し慢性に経過する炎症性皮膚疾患である.境界明瞭な銀白色の鱗屑を伴う軽度隆起した局面としてみられ,全身どこにでも出現するが,肘,膝,殿部,腰部に好発する(図102).全身に広がり紅皮症になることもある.治療に比較的抵抗性であり,また,いったん治癒しても再発をくり返し,その経過は年余にわたるため患者に大きな心理的負担を与える.組織学的には,表皮の増殖・肥厚,角化異常,表皮および真皮内への炎症細胞浸潤,真皮乳頭の毛細血管の形態異常を特徴とする(図103).その病因は未だ明らかではないが,乾癬病変形成を説明するいくつかの生物学的あるいは生化学的異常が知られてきている.免疫・アレルギー機序の関与の程度は,さほど明らかではない.
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