TOPICS
カルニチン
山川 満
1
1東京大学第三外科
キーワード:
脂肪乳剤
,
アシルカルニチン
,
β-酸化
Keyword:
脂肪乳剤
,
アシルカルニチン
,
β-酸化
pp.591-592
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900150
- 有料閲覧
- 文献概要
近年,外科領域における栄養管理において,脂肪乳剤は各種病態下で広く用いられるようになってきており,その代謝に重要な役割を果たすカルニチン(carnitine)の動態と意義が注目されている.そのような観点より,われわれの検討結果を中心に紹介したい1).
脂肪乳剤の主成分であるトリグリセライドは,生体血液中ではリポ蛋白の形で存在し,リポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase)の作用により,遊離脂肪酸にまで水解される.その後,遊離脂肪酸はカルニチンと結合し,アシルカルニチンとしてミトコンドリア内に移送され,β-酸化を受けてエネルギー源となる2).したがって,カルニチンが組織中に不足すると脂肪乳剤の利用は障害される.カルニチンは筋,腎などの組織でリジン,メチオニンから前駆物質であるブチロベタインまで合成された後,肝へ運ばれて水酸化を受けてその生合成が完成する(β-hydroxytrimethyI aminobutyric acid).
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.