増大号 心電図判読のスタンダード 基本を極めて臨床で活かす!
3章 脈の乱れに注目!不整脈を攻略する
—頻脈性不整脈—QRS幅が広い
徳田 道史
1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター循環器内科
キーワード:
心室頻拍
,
VT
,
wide QRS頻拍
,
心電図
,
房室解離
,
変行伝導
Keyword:
心室頻拍
,
VT
,
wide QRS頻拍
,
心電図
,
房室解離
,
変行伝導
pp.1228-1231
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203747
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wide QRS頻拍の鑑別
RR間隔が整のwide QRS頻拍(心拍数が100/分以上,QRS幅が120ms以上)が観察された場合は,第一に心室頻拍(ventricular tachycardia:VT)を疑う.臨床でみた場合は血行動態が保たれているかを確認し,電気的除細動を考慮しつつ,慎重かつ迅速に心電図の解析を行うべきである.しかし,VTと断定する前には冷静な判断が求められる.VTは確かにwide QRS頻拍の一形態であるが,wide QRS頻拍が必ずしもVTであるわけではない.変行伝導を伴う上室性頻拍(supraventricular tachycardia:SVT)でもwide QRS頻拍となるためである.
本稿ではwide QRS頻拍をみた場合,それが心室性であるのか,心房性であるのかを鑑別する方法を詳述する.
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