増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
3章 フローサイトメトリー
フローサイトメトリー検査と形態学分類による骨髄腫細胞比率の相違
永井 直治
1
1公益財団法人天理よろづ相談所病院臨床検査部
キーワード:
形質細胞腫瘍
,
フローサイトメトリー
,
FCM
,
細胞比率
Keyword:
形質細胞腫瘍
,
フローサイトメトリー
,
FCM
,
細胞比率
pp.1176-1179
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203129
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はじめに
近年,フローサイトメトリー(flow cytometry:FCM)検査は,測定装置や抗体試薬の開発により,複数抗原を同時に染色するマルチパラメーターフローサイトメトリー(multiparameter flow cytometry:MFC)化が進み,形質細胞腫瘍の診断に効力を発揮している.MFCは対象となる細胞の抗原異常を複合的に評価できるため,特徴的な免疫形質を用いて腫瘍細胞を段階的に絞り込むことで,高感度かつ特異的に解析が可能となる.しかし,解析で得られる形質細胞比率はFCM検査と骨髄血目視分類での乖離をしばしば認める.
本稿では,その原因および対策について解説する.
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