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増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
1章 弁膜疾患
大動脈弁閉鎖不全症/大動脈弁逆流症
Aortic regurgitation(AR)
山本 将司
1
1第二大阪警察病院臨床検査科
pp.363-373
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202967
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基礎知識
大動脈弁閉鎖不全症/大動脈弁逆流症(aortic regurgitation:AR)は先天性または後天性の異常により弁尖の接合不全が生じて逆流がみられる状態である.その機序は,弁自体に原因がある場合と,上行大動脈基部の拡大により弁尖間の接合が浅くなり逆流が生じる場合がある(表1)1).
また発生機序によって慢性ARと急性ARに分けられる.慢性ARは,経過が穏やかで大多数は無症状で経過するが,長期間ARが続くことで左室の代償機構は破綻して症状がみられてくる.一方,急性ARは,感染性心内膜炎,大動脈解離,外傷による弁破壊などで,内科的にコントロールが困難な場合が多く,外科治療の適応を早急に検討する場合がある.
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