今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
扉
涌井 昌俊
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1慶應義塾大学医学部臨床検査医学
pp.1365
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202518
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基礎と臨床の進歩は,画期的な診断へのアプローチや治療戦略を生み出します.それまでの病態概念・疾患単位と治療適応を大きく変えることさえあります.このような医学・医療の裾野の広がりと多様化による恩恵を最大限に患者さんにもたらすために,検査に求められるものは? それは,原点に立ち返った俯瞰をもってさらに進化を遂げ続けることなのではと思われます.血栓症や止血異常といった凝固障害もその例外ではありません.本特集では,がん関連血栓症,敗血症関連凝固異常,ループスアンチコアグラント関連凝固異常,血友病の抗体医療,抗凝固薬が凝固関連検査に与える影響,凝固波形解析という6つの話題を網羅しました.“一筋縄には行かない検体検査”のイメージのためか,しばしば敬遠されがちな血栓止血検査について,原点と進化に思いを巡らせるきっかけとなれば幸いです.
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