Japanese
English
今月の特集2 心腎連関を理解する
心臓と腎臓のクロストーク
Crosstalk between heart and kidney
熊倉 慧
1
,
伊藤 貞嘉
1
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座腎・高血圧・内分泌科学分野
キーワード:
レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系
,
交感神経系
,
Na再吸収
,
糸球体濾過量
,
strain vessel
Keyword:
レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系
,
交感神経系
,
Na再吸収
,
糸球体濾過量
,
strain vessel
pp.58-64
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201480
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Point
●腎臓はネフロンという機能単位を片側に100万個もち,非常に合理的,巧妙に作られた構造をしている.これによって大量の血液を濾過し,さまざまな物質を再吸収して体液の恒常性を保っている.
●血圧は,脳・心臓・腎臓の3者がそれぞれさまざまな機構で制御しており,なかでも交感神経系,レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系による調節は非常に重要である.
●脳・心臓・腎臓は低酸素,低血圧でも機能を維持するためにstrain vesselと呼ぶ低還流に耐えうる血管構造をもつが,高血圧下では障害されやすく,その障害は微量アルブミン尿として表現される.微量アルブミン尿が存在している場合は,無症候でありながら,脳や心臓の血管にも障害が発生している可能性がある.
●腎障害の存在は心血管障害を起こしやすく,さらに心血管障害が進行すると腎障害をより悪化させる.このようにして心臓・腎臓は病態形成に相互に関連している.
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