増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part3 フィジカルサイン&病態で読み解く呼吸器疾患
1.閉塞性換気障害
上気道閉塞
山本 雅史
1
1北海道大学病院検査・輸血部
pp.1260-1268
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201399
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上気道閉塞は,肺自体には障害は全くないが,咽頭や気管,主気管支などの太い気道が機械的に狭まるために,1秒率(forced expiratory volume in 1 second/forced vital capacity:FEV1/FVC)が低下し,閉塞性換気障害を示す病態です.そのフローボリューム曲線は極めて特徴的な形状をとり,教科書的な表現でいうと台形の形を成します1).
つまり,強制呼出時で説明すると,肺自体の駆動圧が高まり,呼出を開始しますが,その出口である気管などが狭まっていると,その出口の細さに対して,スピードが頭打ちになります.そのためフローボリューム曲線は同じスピードが続く形状(台形の上底部分)となります.
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