今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと
扉
岩田 敏
pp.729
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200873
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百日咳ワクチンは,四種混合(DPT-IPV)ワクチンまたは三種混合(DPT)ワクチンとして,ジフテリアトキソイド,破傷風トキソイド,不活化ポリオワクチンとの混合ワクチンの形で,乳幼児を対象にして定期接種が行われてきました.ワクチンの普及によって百日咳の発症例・死亡例は激減しましたが,近年,百日咳に対する感染防御免疫の低下した年長児や成人における発症や,それらの患者から感染したワクチン接種前の新生児・早期乳児期における重症例の発症が問題となっています.
一方,培養法による百日咳菌の検出には検体採取と分離培養に習熟を要することや,培養法や遺伝子検査による病原体検出は発症後時間が経過すると感度が低下することなどから,百日咳の確定診断は,特に思春期以降の症例において難しくなっています.本特集では,百日咳の診断・治療・予防に関する最新情報について,今この領域で問題となっている点も含めて,わかりやすく解説していただきました.
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