検査レポート作成指南・10
聴覚検査編
山崎 葉子
1
,
奥野 妙子
2
1三井記念病院臨床検査部
2三井記念病院耳鼻咽喉科
pp.670-679
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200852
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聴覚検査には種々の検査項目がある.原則的に最初に行われるのは純音聴力検査であり,求められた最小可聴閾値から難聴の有無や程度が評価され,次に,目的に合わせ,また必要に応じて検査が依頼される.これらの検査結果によって得られた聴覚障害の程度や推測される原因は,そのまま診断につながり,治療の選択や手術の可否を決定することとなる.そのため,依頼医からは,的確な手技で検査が行われることと,矛盾のない適正な検査結果を得ることが求められる.検査担当者は被検者の反応を観察し,個々に合わせた説明や協力を得るための工夫をして,各検査結果に矛盾がないかを検査中に判断する必要がある.また,医師が検査結果を判読する際に,出力されたデータだけでは知り得ない情報をコメントとして記録することも大切である.
聴覚検査は検査項目が多く,症例によっては再現性を確認する必要もあるため検査日が複数日にわたることもある.また,検査結果は波形のパターンから判読されるものが多い.
報告書は,耳鼻咽喉科の医師が全ての検査結果を判読したうえで作成している.主な目的は検査結果を一括して記載し,記録として残すことである.
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