増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔生化学検査〕
血液ガス分析
福田 篤久
1
1和泉市立病院中央検査科
pp.1171-1177
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200568
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緊急性
動脈血血液ガス分析(arterial blood gas analysis:ABG)は,バイタルサインの一環として,初期診療・急変時・術中などの場面で,今現在の状態が生命危機に陥っていないかを知るために測定される,緊急性・重要性ともに高い検査である.その意義は,生命維持に必要な酸素化および換気に関する情報と,生命維持を困難にする因子である酸塩基平衡に関する情報を短時間に得ることにある.したがって,臨床検査技師だけでなく,救急外来や初療室,集中治療室や手術室などにかかわる全職種の共有患者情報として習得すべきものである.
最近では,血液ガス項目に加えて,電解質,血糖,乳酸,クレアチニンなどの項目が同時に測定できる血液ガス分析装置も増えており,“多機能急性期検査装置(multi-functional acute-care testing system:MFACTS)”ともいわれている.
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