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今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
カリウムの読み方
The way of interpreting serum abnormal levels of potassium
木村 秀樹
1
1福井大学医学部附属病院 検査部・腎臓内科
キーワード:
カリウム(K)の体内分布
,
細胞内外のカリウムシフト
,
Na/K ATPポンプ
,
酸塩基平衡
,
アルドステロン(Ald)
Keyword:
カリウム(K)の体内分布
,
細胞内外のカリウムシフト
,
Na/K ATPポンプ
,
酸塩基平衡
,
アルドステロン(Ald)
pp.793-800
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103949
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●体内の総カリウム(K)の98%は細胞内に分布し,1~2%が細胞外液に分布している.主としてNa/K ATPポンプにより,細胞内のK濃度は140~150mEq/L程度に,細胞外液では4mEq/L程度に調整されている.
●Kの1日摂取量は40~120mEqで,半分以上が尿から排泄されている.血清K値は,摂取量,排泄量,Kの細胞内外シフトの総合的なバランスで決定される.
●インスリン,アルカローシス,β2カテコラミン,甲状腺ホルモンは,Kの細胞内シフトを誘導して血清K値を低下させる作用をもつ.各因子の低下・阻害で細胞外シフトが生じ,K値は上昇する.
●低K血症の原因は,尿中K排泄が20mEq/日以上では腎性喪失を,20mEq/日未満なら腎外性喪失を考える.さらに,酸塩基平衡とアルドステロン(Ald)作用の程度で分類する.
●高K血症の原因は,K負荷の有無,腎機能(腎不全:GFR 20mL/mL以下か否か),血清Aldの程度で鑑別する.
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