今月の特集1 最新の輸血検査
扉
曽根 伸治
pp.535
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103888
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輸血検査は血清学的な抗原抗体反応を用いた用手法で実施されていました.近年,血液型や不規則抗体検査にカラム凝集法などが導入され自動化が進み,誤りなく多数検体が処理できるようになりました.HLA型などの多型は,血清学的な抗原抗体反応では判定に限界がありましたが,遺伝子学的には正確な判定が可能でした.しかし,従来のPCR-SSPやPCR-RFLP法の遺伝子タイピングは,一度に多くの変異部位の検出ができないことや電気泳動などの作業が煩雑で利用されませんでした.Luminex®法はPCR法で増幅した遺伝子産物とビーズに結合したプローブをハイブリダイゼーションさせて,1回の検査で複数のプローブとの反応を同時に検出できます.したがって,多型の判定を処理速度や検出感度,結果の信頼性を向上して可能にできました.本特集では,はじめに総論としてLuminex®法の概要を解説していただき,次に各論としてLuminex®法の輸血検査での応用を紹介していただきました.
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