今月の主題 血管超音波検査
総論
動脈硬化の病態と血流動態―動脈硬化の病理とそれに伴う流速波形の変化の基礎(生理)
舛形 尚
1
,
千田 彰一
1
Hisashi MASUGATA
1
,
Shoichi SENDA
1
1香川大学医学部総合診療部
キーワード:
動脈硬化
,
動脈硬度
,
狭窄
,
血流波形
Keyword:
動脈硬化
,
動脈硬度
,
狭窄
,
血流波形
pp.243-249
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100440
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動脈硬化には血管内皮機能障害や動脈壁硬化といった機能的側面と動脈壁肥厚や血管内腔狭小化・狭窄・閉塞といった形態的側面があり,血管エコーにはそれぞれに応じた検査法がある.動脈の機能的異常は動脈硬化の早期から生じることから,その指標であるflow mediated dilation(FMD)やstiffness parameter βは生活習慣病による動脈硬化の早期診断や生活習慣病治療による動脈硬化の進展抑制効果判定に用いられる.一方,動脈硬化が動脈狭窄・閉塞といった形態的異常をきたすまで進展して閉塞性動脈硬化症,頸動脈狭窄症などの動脈硬化性疾患を発症した場合は,動脈の狭窄部の描出,狭窄率計測あるいは血流波形記録から狭窄部位推定を行って保存的治療,interventional radiology(ステント留置術),外科的手術などの治療計画を立てる.〔臨床検査 51:243-249,2007〕
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