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1.はじめに
カルテの電子化の流れは,1988年当時の厚生省が通知した「診療録の記載方法について」でワープロなどでの記載が可能となり,また1994年に「X線写真等の光磁気ディスクなどへの保存について」の通知により,医用画像の光磁気ディスクなどの保存が規定された.そして,1999年4月,「診療録の電子媒体による保存について」という通知により,診察から会計まですべてのことを一元的に管理する電子カルテシステムが可能となった1).その後,「診療録等の保存を行う場所について」「診療録の外部保存に関するガイドライン」や,税制面では2003年に「IT投資促進税制」による設備投資減税の適応などが出され,電子カルテへ移行する病院が増えている.
それに伴い,電子カルテシステムを扱う会社は現在,公立や大学病院などを扱う大手から,開業医レベルの小規模のシステムを扱う会社まで,様々な会社が存在している.それらの電子カルテも多種多様であるが,ほとんどが内科をメインとしたシステムが多く,眼科という特殊な科には,使用しづらいものが多いようで,眼科検査は独立して,眼科ファイリングシステムを組んでいる病院が当院を含め多いようである.
眼科検査の電子化の流れは,1980年代前半のパソコンの普及により,検査画像を解析,定量化することが可能となり,1994年の医用画像の保存規定により,眼底写真や細隙灯顕微鏡写真のファイリングシステムから始まっている.しかしながら,当時のデジタル撮影技術のレベルからいって,ごく最近まで,診療に使用できるレベルではなかった.写真以外の検査機器は独自の方式で検査,解析,保存,プリンターなどが,All in Oneで完結する機器が多く発売されて現在に至っている.
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