病院アメニティの改善・6
沖縄県・ハートライフ病院—全室個室の新棟を加え,病床利用率も向上
天願 勇
1
Isamu TENGAN
1
1医療法人かりゆし会ハートライフ病院
pp.554-555
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903771
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アメニティに対する考え方
人生の質(QOL)は,日常生活を営む居住空間の質(衣食住環境の整備)と快適な時間の積であり,活動範囲が制限された患者にとって,安心して療養できる空間と雰囲気は特に重要である.外来・入院にかかわらず,患者が受ける不快は健常人の数倍にも増幅されるもので,ハード・ソフト両面でのホスピタリィはきめ細かく配慮する必要がある.病院建築におけるアメニティは,ゆったりした空間をとり,心身機能の衰えた患者の立場に立ってハード面を整備し,病院での日常生活の質を高めることが最も大切である.
病室のベッドの高さ,トイレや窓の敷居の高さ,調度品,ドアなど,きめ細かい工夫を必要とする.また,そこで働く人々にとっては,ストレスが少なく,喜々として患者の援助ができ,結果的に患者の自律を促すことができれば理想的である.私たちの病院は一言で言えば,「外来はホテルサービスを目指し,病室は寝室兼書斎」として活用できるようにした.平均的日本人の家庭環境に近付けるより,むしろリゾートホテルの感覚を追求した.患者は家庭に居るよりもくつろいだ気分で,心機一転して療養に専念できるように心がけた.
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