医療を支えるファシリティマネジメント7話・4
プロへの業務委託—PFIの成功を願って
柳澤 忠
1,2
1名古屋大学
2名古屋市立大学
pp.754-755
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903613
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前回,医療経営はまさしくサービス業であり,医療そのもののコアサービスと,それを支える支援サービスに区分して考えるべきであること,ホテル的なサービスの質を高めないと患者(特に若者)に納得してもらえないことなどに触れました.支援サービスの質を高めるには外部の専門家(プロ)の協力を得ないと無理があるでしょう.病院で業務の外部委託(外注)というと経費を安くする面だけが強調されますが,プロの支援を受けることで医療の質の向上を図るという側面を忘れてはなりません.
現在,高知医療センターで進められているPFI (private finance initia—tive)事業は,まさにこの支援サービスを民間企業に参画するように求める取り組みであり,プロ集団に対する高い期待が持たれていると思います.従来の病院業務の一部外注といったレベルではなく,医療コアサービス以外の経営をすべて任すことのできるパートナー選びが始まったと認識すべきでしょう.医療経営は医療者だけではできないという意識改革がゆっくりと進んでいます.
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