特集 中小病院—次世紀への挑戦
次世紀への試み
事務部の再編成—「病院病」との戦い
篠塚 一子
1
1医療法人社団レニア会武谷ピニロピ記念きよせの森総合病院事務部
pp.391-393
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902990
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「病院病」の発見
昨年8月,筆者は,医療法人社団レニア会武谷ピニロピ記念きよせの森総合病院(表1,図)の事務部長に就任しました.就任後,「病院の経営を牽引するものは事務部門である」という信念に基づいて,業務改善や様々な戦略の実行に取り組みました.しかし,これらの取り組みは,職員の中にある病院職員特有ともいえる考え方に阻まれ,思いの外に遅滞してしまいました.こうした中,筆者は,一般企業とは異なる病院という特殊な職場が,必然的に職員たちの間に「後ろ向きな考え方」を生み出すのではないのかという疑問を抱きながら職場を観察しました.
「外来から医事課の人たちにあいさつをしても知らん振りして仕事をしているのはどうしてなのか?」という苛立ちにも似た筆者の質問に対して,病院経験豊富なK氏(当時の総務課長)はしたり顔でこう答えました.「ここは病院だからあまり明るくてもね.お通夜の時のような暗さ加減でちょうどよいんだよ.」
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