特集 病院における賃金と年金
病院厚生年金基金の現況と今後
竹内 實
1,2
1北海道病院厚生年金基金
2特別医療法人即仁会
pp.1037-1040
発行日 1999年11月1日
Published Date 1999/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902850
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わが国の年金制度は図1に示すとおり全国民共通の基礎年金を基本に展開している.しかし,少子高齢社会の到来とともに今後増え続ける受給者と現役世代の納入する保険料負担とのギャップが拡大し,制度の見直しを迫られている.そのため,来年4月からの年金制度改革が現在検討されているところである.しかし予想を超える寿命の延長や少子化の進行が加速すると,さらなる給付の見直しを避けることができずに,負担と給付のアンバランスが起きる可能性も否定できない.最も懸念されていることは,年金制度における世代間の不公平感を国民が持つことであり,長期展望とその対策が求められるところである.
わが国の年金制度と病院の関連については,『病院』第56巻2号「年金制度と病院」を参照されたい.このような制度の中にあって,国の年金を一部代行した報酬比例部分についての年金給付を行う制度の一つとして,昭和41年に創設されたのが厚生年金基金である.現在全国に約1,900の基金に約1,200万人が加入している.厚生年金基金は国の報酬比例部分を代行するばかりでなく,各々の基金が加算掛け金を徴収し,退職金などの保全を図ることを目的に設立されてきているのが実態である.
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