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全国自治体病院協議会精神病院特別部会会長を務める 北海道立緑ヶ丘病院 伊藤哲寛院長
小池 清廉
1
1京都府立洛南病院
pp.960
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902535
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利用者(国民)にとってどのような医療がよいかという論調は,医療界にはまだ少ない.全国自治体病院協議会はこのたび,「安心して利用できる精神科医療を実現するために」という一般向けの提言を発表した.新しい精神科医療基準の策定を求めた1996年の提言に続くものである.戦後50年,地域の医療と福祉は進歩したが,精神病棟の人員配置は,結核と同様,終戦直後並の水準を脱していない.どうして先進国にふさわしいといえよう.精神保健医療をめぐる現状の改善策について,提言は次の項目ごとにまとめている.
①精神科医療を一般科医療の水準まで高めよう,②地域医療と福祉を充実し,「社会的入院」をなくそう,③国公立病院を充実するとともに,一般病院の精神科を増やそう,④身近なところで医療と福祉を利用できるようにしよう,⑤人権を守れる医療環境をつくろう,⑥情報を公開し,精神病院の不透明性をなくそう,⑦偏見をなくし住みやすい地域社会に変えよう.
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