主張
医療における規制緩和
Y
pp.689
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902170
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規制緩和と市場原理の必要性が叫ばれており,医療においても従来の体制を抜本的に見直す圧力が高まっている.その背景には,共産主義の崩壊,国民負担率の上昇,官僚に対する不信などがあるが,こうしたムードに流されず,具体的に何が実現可能であるかを冷静に考える必要がある.
そもそも市場原理が適正に機能するためには,消費者が市場で取り引きされる財に関する正確な情報があり,かつまた財の質が支払う用意のある額によって異なることが前提となっている.つまり,消費者が選ぶためには情報が必要であり,その情報に基づいて最も優れた財に消費者が集中することを防ぐために,価格による調整が必要である.そのよい例が星の数によるホテルのランク付けであり,グレードが高ければ値段も高い.
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