病院管理フォーラム
[薬剤師の新たな業務]米国における臨床薬学—薬剤使用評価(DUE)を中心に
町田 充
1
,
厚田 幸一郎
1
,
島田 慈彦
1
1北里大学病院薬剤部
pp.257-259
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902058
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クリニカルファーマシーは,1960年代に米国西海岸を中心に始まり全米に広がつた.その後,医薬品を物ではなく治療薬ととらえ,薬剤師がもっと薬物療法にかかわるべきだと考え,ファーマシューティカルケアと変化を遂げ,現在に至っている.日本でも臨床薬剤業務が実践されて約20数年近く経過し,臨床での位置づけ,その功績については多くの文献に紹介されている.
しかし,これまで薬剤師による適正使用の推進は個々の薬剤師の持つ知識と実践力にたよるものが多く,病院薬剤師としてあるいは病院として取り組まれることはほとんどなかつた.米国では1980年代からクリニカルファーマシー(以下CP)が実践に移され,薬剤部として多くの適正使用を推進するためのプログラムが実行されてきた.例えば,ファマコキネティックスサービス部門の設置,薬事委員会活動,院内医薬品集の作成などである.薬剤使用評価(DUE:drug use evaluation)もこうしたプログラムの一つであり,米国の病院では規模によらず90%以上が実施しているものである.
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