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多能な高橋さんに期待 日本看護協会中央ナースセンターセンター長に就任した前東京医科歯科大学医学部附属病院看護部長—高橋美智さん
鈴木 章夫
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1東京医科歯科大学
pp.702
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901289
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誠に不思議な魅力の持ち主である.一緒に働いたことのある人は,学歴,年齢の高若を問わず,彼女と一緒に働きたがる.したがって我か大学の看護婦さんの慢性欠乏状態は,彼女の赴任と共に解消された.それと同時に他大学からも我か付属病院に看護婦さんを一定期間研修に送ってくれるようになり,看護部の質,量共に改善したのは驚きである.「お宅の看護婦さんはイキイキとして,親切で良くなりましたね」とある病院の院長から言われた.病院長を替えても,その大学病院の意識改革はなかなか行われないが,看護部長を替えると,看護婦さんの意識が直ちに変わると云われていることをまざまざと見せつけられた感じがした.これは勿論,単に高橋部長の患者に対する真の人間愛からだけてはなく,それを如何に率先して自ら実践出来,自然に手本を示し得るかによるものであると考える.
彼女の在任中,医科新棟か完成した.これは地上17階,地下4階で,病院建築としては日本はおろか,恐らく世界でも最高層の地上80メートルを越える建築であり,スタッフステーションは云うに及ばず,病棟配置,搬送システムからToiletに至るまで,適切なアドバイスがあった.また,旧棟から新棟に患者を移転する民族の大移動も,彼女の陣頭指揮でつつがなく終わり,平成4年4月1日には定刻通り開院に漕ぎ着けることが出来た.
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