退院計画 病院に求められる新しい機能・6
大学病院における退院計画—北里大学病院総合相談部の取り組み
堀越 由紀子
1,2
1退院計画研究会
2北里大学病院総合相談部
pp.252-257
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901186
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はじめに
病院の機能分化がすすめられ,高度医療を担うとされる大学病院には重症患者や癌患者などがますます集中する傾向にある.そして,在院日数の短縮化が強く求められるようになった結果,医療に依存する度合も専門的看護や介護を必要とする度合も大きいまま,転院したり在宅療養へ移行したりする患者が増えている.総合相談部に常駐するソーシャルワーカーと保健婦はその多くにかかわっているが,重症患者を受け入れてくれる長期療養型病院や施設,あるいは在宅医療支援体制が不十分な中での退院援助は容易ではない.患者にとっても家族にとってもよりよい形での退院を実現するために,解決しなければならない課題は病院の内外に山積している.私たちはまず院内の問題から検討することとし,その過程で退院計面のしくみが必要であると痛感するようになった.ここでは北里大学病院(以下当院とする)における総合相談部の取り組みを紹介したい.
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