病院管理トピックス
[集中治療]集中治療の経済学/[薬剤]入院患者の服薬指導に取り組む/[病院経営]意思決定会計と病院経営⑨
浦上 秀一
1
Shuichi URAGAMI
1
1医療法人雪の聖母会聖マリア病院集中治療部
pp.990-993
発行日 1991年11月1日
Published Date 1991/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901055
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医学の進歩は著しく,また医療をとりまく環境も激しく変化してゆくなかでは,ICUにおいても,その経済性を検討することが常に要求されている.ICUの経済性を論じるのは,高額医療機器の経済性を検討するのに似たところが多い.高額医療機器の場合,多くは次の2つの面での検討がなされている.
1つには,その機器を使用することによる直接的な診療報酬が採算に合うものであるかどうか,1つには,その機器のもたらす二次的な経済効果により,施設全体として経営が好転するなどの効果である.つまり,その機器を直接使用して診断・治療される患者が,その経過のなかで,機器とは関連しない治療や検査を受けることになる経済的な波及効果である.その機器とは直接関連しない部門の患者数の増加,機器があることで施設に対する評価のランクが上昇するなどの効果も期待できる.直接的には算出できない,次のような効果もあるとされている.他の施設にはない高額機器が診断に,治療に用いられているという職員の精神的自信,誇りが施設全体に醸し出す前向きのエネルギーがそれである.
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