人
国立大学病院管理学のノレンを継承 東北大学医学部病院管理学教室 濃沼信夫教授
久道 茂
1
1東北大学医学部公衆衛生学教室
pp.816
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900743
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人それぞれの様々な人生をみると,その人のポジションが「まさしくピッタリで……」とか,「やはりなるべき人が……」と感じることが少なくない.その人が年配の場合には,それまでの優れた業績や多彩な人間関係から滲みでる人柄で,周囲の人達も安心し,難しい局面をも巧くやってくれるだろう,という感じである.その人が比較的若い場合には,それまでの業績の評価はもちろんであるが,それ以上に,その人が持っている活力や物の考え方から,激動する社会環境や国際情勢の変化に対応して,これからのすばらしい仕事が期待できる,という感じである.
濃沼先生は,もともと臨床家で医学博士号のテーマも臨床領域のものであった.フランス政府の国費留学生としてモンペリエ大学での研究留学を終えて日本に帰国後も数年病院勤務をされていた.その後,厚生省へ入り,保険局医療課統計情報部,大臣官房国際課などを経て,WHO本部(ジュネーブ)での勤務,その後国立がんセンター企画室長をしているとき,母校の東北大学医学部より病院管理学講座の教授として招聴され本年4月に着任した.「やはりなるべき人が……」と思うのである.東北大学医学部の病院管理学講座は国立大学では唯一のものであるが,近年各大学で同じ目的の講座が誕生しつつある.これも時代の求めるものであろう.
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