特集 想定外を想定せよ—病院BCPのバージョンアップ
総論
医療健康危機管理の司令塔(仮称Japan CDC)は必要か?
門田 守人
1,2
1日本医学会連合
2日本医学会
キーワード:
日本疾病予防情報センター
,
Japan CDC
,
日本版CDC
,
Population-oriented Medicine
Keyword:
日本疾病予防情報センター
,
Japan CDC
,
日本版CDC
,
Population-oriented Medicine
pp.761-764
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211756
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■はじめに
医療の歴史は,古くは「ヒポクラテスの誓い」,アンブロワーズ・パレの「我包帯す,神,癒し賜う」,あるいはわが国の緒方洪庵の「扶氏医戒之略」などに代表されるような,まず患者さん一人ひとりの苦痛を取り除くことを中心としたPatient-oriented Medicineから始まった.次に,近代の科学技術の進歩と相まってDisease-oriented MedicineからGenome-oriented Medicineと医学・医療の対象が人から離れ,病気あるいは遺伝子などの研究へと向かい,医学・医療の専門化・細分化さらには科学至上主義的な方向へと進んでいる可能性も否定できない.一方で,人類の歴史は感染症パンデミックを繰り返していることも周知のことで,1918年のスペイン風邪,2009年の新型インフルエンザなどはまだ記憶に新しい.そして,今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミックに襲われ,あらためてPopulation-oriented Medicineの重要性が見直されているのが現在ではないだろうか.日本医学会は約15年前から,この流れを意識して活動を進めてきているので,それを紹介する.
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