研究
病院薬剤師は評価されるべきである—病院と保険薬局における薬剤師業務の違いから
山下 雄介
1
,
南雲 玖美
1
,
風晴 俊之
2
,
美原 盤
3
1公益財団法人脳血管研究所 附属美原記念病院 薬剤部
2公益財団法人脳血管研究所 附属美原記念病院 事務部
3公益財団法人脳血管研究所 附属美原記念病院
pp.251-258
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211644
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要旨
薬学部卒業生の就職先は保険薬局の人気が高く,中小病院にとって薬剤師確保は大きな課題である.本研究では,病院と保険薬局の薬剤師のあり方について検討した.6年制薬学部を卒業し中小病院に勤務する薬剤師(8病院,19人),保険薬局に勤務する薬剤師(19店舗,27人)を対象に業務内容(タイムスタディ),就職理由,待遇について調査した.業務内容は,病院では業務が多岐にわたっており,処方提案,チーム医療に関わる時間が多かった.一方,保険薬局では調剤と服薬指導が業務時間全体の74%を占めた.就職理由は,病院は自らのスキルアップやさまざまな職種と関われることを求める者が多く,薬局は地元での就職や生活の安定を希望している者が多かった.保険薬局の初任給は病院の約1.2倍であった.病院薬剤師は6年制薬学教育が生かされる業務を遂行している.病院薬剤師が診療報酬上,適切に評価されることが望まれる.
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