特集 新・ケアミックスが病院を変える—超高齢社会の患者ニーズの複合化への対応
ケアミックス化の必然性
データから考えるケアミックス化の現状と課題
松田 晋哉
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
キーワード:
ケアミックス
,
医療・介護サービスの複合化
,
地域包括ケアシステム
,
デジタルトランスフォーメーション
,
DX
,
連携
Keyword:
ケアミックス
,
医療・介護サービスの複合化
,
地域包括ケアシステム
,
デジタルトランスフォーメーション
,
DX
,
連携
pp.850-853
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211529
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■問題の所在
筆者はこれまで病院に関連する種々の公的委員会に参加してきた.そこでの議論では,時に「ケアミックスは営利主義の事業展開であり,医療を望ましくない方向に誘導するものである」という意見が出される.大学における急性期を中心とした医学教育,看護教育を背景に,医療者の中に急性期>回復期(亜急性期)>慢性期という「医療の格」に関する暗黙のヒエラルキーがそこには見え隠れする.
また,メディアの論調でも,急性期以後の医療において営利的な診療が横行しているようなイメージのものが少なくない.この背景には1980年代から1990年代にかけて老人病院のケアの質に関する実態を報道したメディアの影響も大きいだろう.営利目的での「検査漬け,薬漬け」というのが老人病院の実態であるというイメージが広がってしまったことは,その後の高齢者医療の展開の大きな足かせとなった.
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