特集 医療経済からみた病院経営
病院への医療費の配分—患者の治療上の恩恵向上と医療費節約の両立に向けて
中村 洋
1
1慶應義塾大学大学院経営管理研究科
pp.827-831
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211295
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●少子高齢化が進む日本において,「2022年危機」が叫ばれるなど,医療保険財政の悪化が懸念されている.さらに,新型コロナによる悪影響に備えなければならない.今後必要なことの一つは,患者による「賢い選択」の促進などを通じて,患者の治療上の恩恵を高めつつ医療費の節約につながる施策を推進することである.
●その推進に大きな役割を果たしうるのが病院である.また病院は,診療所など他の医療提供者と役割分担・連携することで,その推進を加速するとともに,病院自体の経営を改善することも可能となる.
●医療費の配分に関しては,限られた財源を医療提供者間で奪い合うのではなく,上記の「患者の治療上の恩恵向上と医療費節約の両立」を果たす機能に応じて,病院ならびに(役割分担・連携する)他の医療提供者への診療報酬上の評価を高めることが重要となる.
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