病院管理の現場から 事務長のひとり言
病院経営
鈴木 雅晴
1
Masaharu SUZUKI
1
1十全第二病院
pp.423
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209560
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打つ手がないと嘆く前に
医療の危機が叫ばれ始めて数年,最近の医療関係者の集まりは決まって,「医療をめぐる環境は厳しい」という挨拶から始まる.そうには違いないが,いくら「厳しい」といっても,事態が変わるわけではないし,かえってその言葉に酔って,肝心の対策がなおざりにされているように思えてならない.
先日も,ある病院の理事長との話で,当然のように,経営問題が話題になった.理事長は,「環境は非常に厳しく,経営の維持は困難だが,みんなで渡れば怖くないでしょう」と話された.つまり,「打つ手がないから流れに任せるしかない.まさか,みんながつぶれることはなかろう」という感じで,居直りとしか聞こえてこない.
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