特集 60周年記念号
温故知新―これまでの特集から振り返る
病院経営
猪口 雄二
1
1医療法人財団寿康会
pp.35-38
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101361
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戦後のにおいが残る1949年,当時はまだ病院の数が少なく,その後の医学・医療の進歩など考えられなかったであろう60年前に,病院について専門的に論文や報告を掲載する雑誌『病院』が発刊された.その後の急速な経済成長の中,病院急増時代を迎え,経済成長を上回る国民医療費の増加が起きた.しかし,その後の経済状況の変化から病床規制が始まり,現在の病院減少・病床減少に繋がるわけである.
当時筆者はまだ生まれておらず,父は戦前から開業していたが,戦後焼け野原になった下町で再度開業した頃である.その後のおぼろげな記憶では,雨の日にもスクーターに乗って往診をしていたことを思い出す.1963年に診療所から病院になり徐々に大きくなったが,いつも自宅では「病院の経営は大変だ」と嘆いていた.父は1978年に急逝してしまったが,その後も病院は多くの難問を抱えながらも存続した.そして筆者自らが経営者になってから,すでに20年を超えてしまった.
この60年という激動の中で,『病院』は多くの病院経営に関する特集を企画している.ここでは,時代を反映する医療・病院の経営に関する記事を引用し,病院経営の過去・現在・未来について考察してみたい.
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