医療・病院管理用語ミニ辞典
—病院管理—医薬分業/—診断・治療—突発性難聴
小野 丞二
1
Joji ONO
1
1東邦大学医学部・病院管理学
pp.981
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209420
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医薬分業とは,医師と薬剤師がそれぞれの専門業務を分担し,医師は患者を診断・治療し,必要な薬剤は医師の処方せんに基づいて,薬剤師が調剤して交付することである.この趣旨は医師,歯科医師と薬剤師が相互に,その職能を尊重することによって,それぞれの専門領域における医療の向上を期し,もって住民の医療の向上に資するためのものである.
このことは明治7年に制定された医制に,医薬分業のあり方が明確に定められ,この方針は今日にまで及んでいる.しかし,医師法第22条の但し書きの8項目で,例外的に医師がみずから調剤することが認められていて,わが国ではこの例外規定による調剤が大部分を占め,薬剤師の調剤権は全く縮小されてきた.このように医師が診療し,みずからの手で調剤・投薬している状況は,世界の中でも珍しく,ほとんどの国では完全な医薬分業が行われている.
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