特集 週休2日制への対応を探る病院
病院における週休2日制の変遷と実施上の問題点
西中 正久
1,2
Masahisa NISHINAKA
1,2
1全国病院労務管理学会
2東京都病院協会
pp.141-143
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209231
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◆人事院勧告と病院の特殊性
昭和62年の人事院勧告は,週休2日制に関する勧告として,試行の4週6休制(隔週週休2日制)から,本格実施の勧告を行い,これを受けて政府は,実施期日12月以降を63年4月を目途とすることにし,勧告と併せて提出された報告で検討を求めていた土曜日閉庁方式について結論を見送ったことを除き,実施されることになった.
勧告の主な特徴は,①(イ)4週間のうち2つの土曜日に連続して休む制度を基本形とすること.(ロ)この基本形によれないものについては,52週間の範囲で弾力的運用(変形)で実施すること.②4週6休制の形態は開庁方式による4分の2指定方式とすること.③超勤単価の計算基礎を従来の44時間から42時間とすること等である.人事院勧告の内容は民間の実態を反映し勧告されるものであるが,その勧告が更に民間の特定業種へ波及する効果をもっている.また,銀行関係の月2回の土曜閉行制から完全週休2日制への導入動向など,一連の情勢は,24時間体制の中で国民の生命と健康を守る医療業としての使命を持ち,大半が有資格職種に従事する有資格職員で構成され,しかも職種配転不能な労働集約型企業である病院にも少なからぬ影響を与えようとしている.このような他産業と異質な雇用事情にある病院においては,週休2日制問題が労務管理問題であると同時に複雑な経営問題であるだけに,重要な今日的課題となっている.
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