定点観測
—高知県・西土佐村から—なぜ上郷を去ったか
宮原 伸二
1,2
Shinji MIYAHARA
1,2
1西土佐村国保大宮診療所
2前象潟町上郷診療所
pp.888-889
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208431
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私事で恐縮であるが,この7月末で,13年余にわたって勤めた由利組合総合病院上郷診療所(象潟町有)を辞し,高知県西土佐村の村立診療所に転任した.ここに転任へのいきさつや心の動きを赤裸々に述べることは,私のぐちや自己弁護になる面もあろうが,農村や過疎地の医療問題を考えるひとつの問題提起にもなろうと思い,あえて文章化させてもらった.
上郷地区は,長年にわたり地域住民と医療関係者,農協などが一体となって行ってきた保健活動によって,住民の健康への関心は高まり,予防医学活動などの健康づくり運動は住民自身の力で維持し,より発展させ得るところまできたと思う.健康づくりは,充実した人生を過ごすための大切な条件のひとつで,終着駅はなく,人間が生きている限り永遠の努力を要求されるものである.
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