海外の医療・6
シンガポールの保健医療事情
石野 誠
1
1厚生省医務局総務課
pp.701-703
発行日 1979年8月1日
Published Date 1979/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206945
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一般事情
我々がシンガポールを訪れた時は,ちょうど13回目を迎える「建国記念日」を一週間後に控えて,街路の飾りつけがにぎやかになりつつあるころであった.
シンガポールの歴史はイギリスの東インド会社による貿易港としての発展にはじまっている.その後永くイギリスの支配下にあったが,第二次世界大戦後マレーシア連邦の一員として新しいスタートを切ることになった.しかし,2年後の1965年にはシンガポール共和国として独立している.人種構成は中国系が圧倒的に多く(約75%),マレーシア系(約15%),インド,パキスタン等が続いている.面積はほぼ淡路島と同じくらいで,人口密度は極めて高く,住宅,公衆衛生の面でも多くの悩みを抱えている(写真1).
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