特集 新生児医療の展開
特殊新生児病棟の施設と医療機器
中村 敬
1
1東京都立築地産院,小児科
pp.28-31
発行日 1975年5月1日
Published Date 1975/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205615
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はじめに
周生期の胎児および新生児の取り扱いがいかに重要であるかということは,乳児死亡率の半数以上が新生児死亡であることから考えても明らかである.そこで,生命予後および後遺症に関して危険性の高いと考えられる新生児,すなわちhigh risk baby (at risk)に対して,集中して特殊な医療を施すことが最も効率の良い方法である.Neonatal intensive care unit (NICU)は,設備面では従来の未熟児室と本質的にはあまり差がないが,機能面および運営面で大きな差異がある.すなわち呼吸障害,循環障害,代謝異常,けいれんなど中枢神経系異常,出血や感染によるショック,外科手術前後の重症で緊急を要する新生児を対象としており,患者は常に継続して監視される体制におかれ,異常が発生すれば,ただちに各専門医が適切な処置を施すということが必要条件である.
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