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萩原義雄先生を悼む
森 日出男
1
1名古屋保健衛生大学病院企画室
pp.93
発行日 1975年3月1日
Published Date 1975/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205588
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萩原先生,ごらん下さい.先生ご自慢のこの講堂に集ったこのいっぱいの人達を.東北から,九州から,あれだけ先生に雷をおとされながらも駆けつけて来ているんです.先生の雷はすごかったですからね.まがったこと,あいまいなことの大嫌いな先生でした.ただ病院の発展を思い,正しい医療を願う心だけの先生でした.それだけに雷は雨を伴い,地を肥やし,こうして多くの芽を育ててきたのでした.
いま改めて先生の偉大さを思い,師としていただきえた幸せと誇りを思います.病院前庭の退職記念碑に,ただ一字お書きになった‘道’の文字は,永久に病院とともにあって,多くの人びとに反省と思索の心を与え続けることでしょう.医の‘道’,人間の‘道’,師弟の‘道’,そして歩み続ける一筋の‘道’,その厳しさに生きられた先生でした.
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