研究と報告【投稿】
国立病院外来合理化のデスクプラン
小林 忠
1
1国立大蔵病院
pp.102-103
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205538
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現在わが国の病院は一般的にいって経営に苦しんでいる.開設者の違いによって病院経営の仕方に多少の相違があるのはやむをえない.いくら病院の管理を理想的にやろうとしても病院が財政的に成り立っていかなければ,その理想的な管理案も‘絵に書いた餅’になってしまう.国立病院においても財政面を全然無視してよいというわけではないが,それほどやかましい規制はないので,国立病院くらいは現在の日本の医療環境の中で理想案に向かってやってみるべきではないだろうか.その観点から,従来から問題になっている病院と診療所の機能の分化,とくに病院外来の問題,(実は病院外来といいたいのであるが,他の開設者の病院の立場はわからないので)自分が勤務している国立病院について考えてみたいと思う.
国立病院外来のあるべき姿,すなわち合理化については従来から種々論じられてきたが,ひところ‘病院は入院,診療所は外来’と単純に割り切ることが良い案だと思われていたが,医学の発達と医療が高皮複雑化してくると,これもいつまでも決定打とは思われなくなった.それで病院外来,とくにわれわれが関係している国立病院外来はどうあるべきか,その合理化案はどうかと研究することはたいせつなことと思う.現在の日本においては地域の医療計画がしっかりと確立しておらず,また医療機関の開設者もまちまちであるので,その立場上病院外来の合理化についてもある程度の相違はやむをえない.
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