特集 医療計画
医療計画の技法
松本 啓俊
1
1病院管理研究所
pp.35-41
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205242
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まえがき◇
ある設定された目標があって,それを達成するためにはいく通りかの手法があるはずである.たとえば医療に関するシビル・ミニマムの設定があって,それの達成にはいく通りかの手法があるはずである.これらの手法を適用して目標を段階的に達成することが計画ということであれば,計画技法という言葉はそれらが確立している場合にのみ用いられることが許されるのであろう.そのような意味でと,その多様性の画一的統一化を意識的にはばむ意味とからあえて計画手法と読み代えて,与えられた責を果たそうと考える.したがって,いわば試論を述べることとなろうし,同時にその段階で当面しているいくつかの問題提起を行なうにとどまることとなろう.
医療計画のめざすところは,第1に,現状としての受診需要とサービス提供の間の質的・量的欠損(defect)を明らかにし,それらの欠損をどう補正するのかということであり,第2にあるべき姿の設定があり,それと現実との間の欠損をどう調整し実現化してゆくのかに段階的に大別できよう.
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