人
医療にかける兄弟院長—札幌・手稲ルカ病院長 上泉 隆先生 ルカ病院長 上泉 清先生
和田 武雄
1
1札幌医科大学・内科
pp.18
発行日 1973年9月1日
Published Date 1973/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205096
- 有料閲覧
- 文献概要
このご両人を世間なみの常識をもって評しようとすれば,きたんないところ医者仲間のワクからはみ出すことまちがいなしである.兄さんは度の厚いめがねの奥にやさしい目をしばたかせながら,いつでも‘先生,弟にブレーキをかけてください’といいながらみずからもへき地医療だ,老人医療だ,看護婦養成だと一生けんめいだし,弟さんはそのブレーキが故障したブルトーザーのように海外医療だ,ネパールだと走り回っている.止まるすべも知らなきゃ,止めることもできない.病院が焼けたり,借金がかさんだり(だろうと思う)でさぞや苦労が多かろうと心配されるのだが,ご当人たちは気配にもそれを感じさせない.のみならずりっぱな病院が建ち,着々と施設が整備され,次はなにをしようか,そんな構えのきょうこのごろである."旅のために,杖(ツエ)一本のほかには何ももたないように"いつかの集りに兄さんはそんな聖句をよみあげていたが,つえならぬお二人の靴の底はいつもすりきれている.そんな上泉隆・清両先生である.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.