救急医療に関する研究・2
救急医療に対する開設者別協力度と問題点
岩本 正信
1
1東北大学病院管理学教室
pp.103-107
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204057
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そもそも,救急医療機関の告示は‘開設者から救急業務に関し協力する旨の申出’のあったものを単に受動的に告示し,国としての計画性のある救急医療体制は整備されていない.したがって,現状では救急医療機関として告示を受けるかいなかは,救急医療に対するvoluntary的な協力意識の度合いによって決定されるものである.すなわち,日赤・済生会・北海道社会事業協会のごとき,医療施設開設の目的,基本方針が社会奉仕的な開設者ほど協力度が高い,しかし,救急医療はcharityではない.したがって,独立採算制をとっている国立病院や,公営企業会計となった公立病院は赤字を心配することなく,積極的に協力できる体制を整備すべきであろう,また,救急医療センターの整備にあたっては,画一的な整備をなすことなく,地域の実状を織り込んだ財政的助成がなされるべきであろう.
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