病院の広場
私的医療機関の公益性と国の助成について
安田 寛之
1,2,3
1現:神戸私立病院長会
2兵庫県病院協同組合
3社団法人日本医療法人協会
pp.17
発行日 1970年7月1日
Published Date 1970/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204004
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- 文献概要
近年,めざましい文化の向上に伴い,社会生活を営むうえに,公益性の香り高い分野は増大する一方であり,その高揚こそは,人類の平和に直結するもので,なかでも人間形成と生命保持に必要欠くべからざるものに,学校教育と医療の2つがあることは周知のとおりである.
特に前者のなかでも,私立学校は官公立学校に比べて,その数きわめて多く,わが国の学校教育にはなはだ重要な地位を占め,それぞれ特有の伝統と学風をもって,そのみちの進展に貢献しているが,これに対しては,すでに私立学校振興会法が制定され,経営に関して必要な資金の貸付その他数々の助成がなされ,心おきなく教育に専念できることに反し,私的医療機関は,日夜,国民の健康保持に,防疫・診療に,公衆衛生などに不断の活動を続け,人類の平和と福祉に貢献しているにもかかわらず,なんら国家の補助はおろか,府県からの助成金すら交付されていない現状である.
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