特集 入院料と差額徴収
入院サービスの料金
尾口 平吉
1
1新潟県立十日町病院
pp.41-45
発行日 1970年4月1日
Published Date 1970/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203924
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医療保険制度の抜本改正が緊急の問題として登場してから久しい.この間に,医療保険の国民負担は加速度的に増大しているが,一方,病院事業はますます困窮の度を加え,今回の2月1日改正も焼石に水ともいうべき状態で,45年度の病院事業は,5月よりの公務員ベア,8月からの薬価基準改正によって,またまた単年度赤字が生ずることは必然であり,その上に43年度,44年度の累積赤字が加わり,病院経営は44年度以上の経営難に陥ることは必定と考えられる.これに加え開業医師と勤務医師との所得格差の拡大が主要な一因となって,病院勤務医師の不足はますます深刻化して,病院事業は破滅への道を急速度に進んでゆくであろう
このような跛行状態は,診療報酬体系の不合理に根本的原因があるものといわざるをえないのである.
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