病院を考える・1
病院医療問題にしゃもじを立てろ
石原 信吾
1
1虎の門病院
pp.87-91
発行日 1968年8月1日
Published Date 1968/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203420
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聞くべきことを聞く態度の重要さ
はじめに,誤解のないように断わっておきたい。‘しゃもじを立てろ’といっても,これは病院人に呼びかけているのではない。社会の人たち,つまり病院を利用する人たちに向かって言っているのだ。したがって,しゃもじをおっ立てて攻めよせる相手は病院だ。社会の人たちは,もし病院に対して不満があるならば,蔭でぼそぼそ言っていないで,その不満をもっと公然と表明すべきだ。いや,もっと進んで,病院に対して改善と反省をうながすために一大社会運動を起こすべきだ。これに対して,病院側には拒むものは何もないはずだ。甘受すべきムチならば,それを受けるのは当然だからだ。
その意味で,今回の第18回病院学会で,"病院医療への注文"と題するシンポジウムが行なわれたことは非常に有意義だったと思う。私は,この企画に全面的に賛成すると同時に,主催者の見識に対して,あらためて敬意を表わさざるをえない。
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