研究と報告【投稿】
ホスピタル・レイアウトの改善
原田 幸彦
1
1慶応義塾大学医学部病院管理学教室
pp.83-87
発行日 1967年9月1日
Published Date 1967/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203170
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一般にレイアウトを問題にする場合は,その規模において3つに分けられる。ある一定の敷地内に新しく建物(病院,工場など)を建てるときの立地条件に対する問題,建物内の各部門間の位置に対する問題,そして,部門内の諸設備に対するレイアウトの問題である。このいずれの段階においても,レイアウトの目標はただ一つ,その施設のはたすべき機能を十分に効率よく発揮できるように配列することであろう。ところが,第1の立地条件に対しては,社会条件によってかなり制約されることがあろうし,第2,第3の場合では,技術の進歩,需要の変動といった諸要因が,施設内の諸計画および管理に影響をおよぼし,それがレイアウトの変更を余儀なくすることにもなりかねない。それゆえ,特に融通性の富んだレイアウトが必要とされるのである。それぞれの規模面で,当初,現想的なシステムで活動しはじめたとしても,現場では恒久的に理想のかたちでサービスを施すことは,まず不可能と考えられるからである。というのは,機械がひとつ変化したことによっても,それまでの作業工程や作業者行程に変化を起こすからである。これは,レイアウト面だけの問題ではなく,作業システム面の改善の必要性をも示している。このように,以前は理想的な姿で出発しても,常に状況を把握し,どこに問題があるかを知る必要がある。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.