特集 病院の廃棄物
ダストシュートについて
伊藤 誠
1
1千葉大・工学部建築学科
pp.38-41
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203145
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院内の各部門が緊密に連繋しあってはじめて有機的な病院としての機能をはたしうることはいまさらいうまでもない。それゆえに,部門間のつなぎのひとつとしてのいろいろな"もの"の運搬は,病院の管理上はもちろん,建築計画の面でも重要な問題となる。効率よく仕事をさばくためには,必然的に機械化の導入ということになろう。シュートは機械とはいえまいが,重力を利用して運搬の労力にかえていこうとする点で,機械とねらいを同じくするもっとも初歩的な装置であると考えてよい。ところでダストシュートとなると,原理は初歩的ではあるが,あるいは初歩的であるがゆえに,なかなか厄介である。あらためて問題としてとりあげて考察してみようとするゆえんである。
運搬という観点を離れても,特に病院では,ものの流れの末端をいかに処理するかが重要である。特に"きたない"ものの始末は,病院自体を清潔に保っていくために,ぜひとも十分の配慮を必要とするところである。くさいものには蓋をではすまない。
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