--------------------
編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.98
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202429
- 有料閲覧
- 文献概要
今年の8月は連日30度を越す猛暑が月末近くまで続き,全国的に水不足の状態を呈した。特にオリンピックを控えた大東京都の水飢饉は政府の問題にまで発展した。東京の病院は水を確保するために苦心さんたんした。献立を変更したり,食器を紙製品にするなどかつてない非常態勢さえとられた。しかし月末の台風14号は干天の慈雨となって,現在で未曽有の豊作を待つばかりになった。
さて本号は「看護婦不足問題」を特集とした。数年来この問題は叫ばれてきたが,かえって悪化してきたようである。本号のとり上げ方はやや趣きが違っているが,互いに真剣に考えねばならぬ問題でしょう。巻頭にたまたま小生の意見が載せられたが,看護婦養成と病院増床のアンバランスを問題にした。年間4万床の増床がさらに続くならば,看護婦ばかりでなく,医師の不足も深刻になるだろう。今こそ金病院の自粛をうながしたい。この数年間は増床を極端にすべきでないと思う。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.