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あとがき
吉田 幸雄
pp.100
発行日 1963年8月1日
Published Date 1963/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202190
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盛夏に本号をお送りします。本号では「病院経営の危機」をとりあげ特集しました。病院の危機は数年来叫ばれてきましたが,最も大きな財政の危機はいよいよ深刻さを増して来ました。36年度の医療費の一部改定も応急処置の域を脱しませんでした。人件費と物件費の増嵩は止まることなくヒシヒシと持続しています。そして財政的に困窮すればする程,労働問題は深刻となり,一方医療の進歩の停滞または後退は正しい医療への関心を冷却させて来ます。程度の差はあるとはいえ,全国の病院がかかる状態に突入して来ている事実はかくすことはできないでしょう。この際,病院経営関係者は病院の危機について,単に抽象的あるいは感情的に危機を叫ぶことよりも,もっと現実的に客観的に冷静にそれを見つめて対処すべき時期に来ていることを認識しなければならぬでしょう。この特集を試みた意味はここにあります。
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